= 徒然の漢詩鑑賞 =

  杉篁庵(さんこうあん)主人の漢詩鑑賞ブログです
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春日獨酌 二首


 春日獨酌 二首  李白
 春日に独り酌む 二首


 其一
東風扇淑氣、水木榮春暉。
白日照兪陝⇒邁峪恭酥堯
孤雲還空山、眾鳥各已歸。
彼物皆有托、吾生獨無依。
對此石上月、長醉歌芳菲。

 其の一
東風 淑気(しゅくき)を扇(あふ)ぎ、
水木 春暉に栄ゆ。
白日 緑草を照らし、
落花 散じ且つ飛ぶ。
孤雲 空山に還り、
衆鳥 各(おのおの)已に帰る。
彼の物 皆 托する有るも、
吾が生 独り依る無し。
此の石上の月に対し、
長酔して芳菲に歌ふ。

 ・淑気:新春、四辺に満ちている瑞祥(ずいしよう)の気。
 ・春暉:春の暖かい陽光。
 ・空山:人気のない山。 
 ・眾:衆。多の意。
 ・托:身を寄せる(ところ)。
 ・芳菲:花や草。春をいう。

東の風は 春のめでたくなごやかな気を引き起こし、
水や木は 春の光に輝く。
輝く太陽が 緑の草を照らし、
落ちる花びらが 散りまた舞う。
ひとひらの雲も 人気ない山に還り、
鳴き騒いでいた鳥達も それぞれねぐらに帰ってしまった。
それらは皆身を寄せるところがあるというものの、
吾が生は独り身を寄せるところもない。
この時この場所で石の上に上る月に対し、
ひたすら酔って春に歌うたうしかない。


 其二
我有紫霞想、緬懷滄洲間。
且對一壺酒、澹然萬事閑。
垓徙畊眈勝把酒望遠山。
長空去鳥沒、落日孤雲還。
但恐光景晚、宿昔成秋顏。

 其の二
我 紫霞の想ひ有りて、
(はるか)に懐(なつか)しむ 滄洲の間。
且つは一壷の酒に対し、  
澹然(たんぜん)として万事閑なり。 
琴を横たえて高松に倚り、
酒を把って遠山を望む。
長空 鳥去って没し、
日落ち 孤雲還る。
但だ恐る 光景の晩(くれ)て、
宿昔 秋顔を成すを。

 ・紫霞想:仙人は紫の朝(夕)焼けに乗るという。仙人志願の思い。
 ・緬:遙かな。
 ・滄州:水辺の土地、の意で、古来、隠者の棲む場所をさす言葉として用いられる。
 ・澹然:物事にこだわらないさま。また、静かなさま。
 ・光景:光陰。月日。歳月。
 ・宿昔:昔の紅顔(若さ)の意。
 ・秋顔:老顔。

私は仙人になって、紫霞に乗りたいと志し、
常々はるかに隠者の棲む滄洲の地を偲んでいる。
なおその上に一壷の酒に対して、
何もこだわらず、浮世の事もすっかり忘れるほどの長閑さ。
琴を横たえて、高い松の木に倚りかかり、
酒を把って、遠い山を眺めやっている。
やがて大空に鳥は去り姿も見えず、
日も落ち、取り残された雲だけが流れて行く。
ただ恐れるるところは、光陰の移ろいに、
昔の紅顔が、やがて老いに変ずることである。




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